山野鋼材株式会社

 

SPECIAL STEEL Q&A

特殊鋼Q&A

そもそも“特殊鋼”って何?

特殊鋼は、“鉄”にクロム・ニッケル・モリブデンなどの合金元素をバランス良く加え、

目的に合わせた性能を引き出したハイグレードな鉄鋼材料です。

強度や耐摩耗性、耐食性、熱への強さなどをピンポイントで高められるため、

自動車や航空機、精密機械など「壊れたら困る」「長く使いたい」製品で重宝されています。

私たちの身近では、
どんな製品に特殊鋼が使われているの?

線路を長く真っすぐ保つレール、自動車エンジンを回すシャフト、スマートフォンを守る薄くて硬いフレーム――
見えないところで“良いモノ”を支えるのが特殊鋼です。
実は洗濯機や冷蔵庫のモーター軸まで、「静かさ」と「長持ち」が欠かせない部品の多くに採用されています。

スマートフォン
家電

なぜ、鉄の性質を変えなければならないの?

純粋な鉄は、実はそれほど硬くありません。
もしそのまま鉄道レールに使ったらどうなるでしょう?
列車が通過するたびに荷重でじわじわ押しつぶされ、あっという間に使えなくなってしまいます。
そこで鉄にクロムやマンガンなど別の元素を加え、「圧縮に強い性格」を与える――これが特殊鋼づくりの基本です。

自動車
鉄道・線路

特殊鋼が選ばれる
3つの理由

高い強度と靱性

衝撃に強く、折れにくい

軽量化にも貢献します。

加工しやすさ

熱処理や切削で形を整えやすく、

複雑形状の部品にも対応。

耐食・耐熱・耐摩耗性

ステンレスのように錆びにくいもの、 高温でも性能が落ちないものなど、 環境に合わせて選択可能。

どんな特殊鋼があるの?

それぞれ合金成分や熱処理のレシピを変えることで“性格”がガラリと変わります。

カテゴリ

代表例

特徴

構造用鋼

S45C など

強度と加工性のバランスが良く、機械部品の定番。

合金工具鋼

SKD11 など

プレス金型、パンチなどに。高硬度&耐摩耗性が魅力。

ステンレス鋼

SUS304 など

錆びにくく、衛生機器やキッチン用品で活躍。

耐熱鋼

SUH660 など

高温下で強度を保ち、ジェットエンジンにも使用。

山野鋼材が扱う
“S50C・S53CN”
ってどんな鋼?

S50C
特長

切削性と熱処理後の強度のバランスが抜群。

用途

自動車部品、産業機械のレール、ロボット用フィンガー部品など。

S50C-N・S53C-N​
特長

焼入れ性が高く、深部まで均一に硬化。

疲労強度も◎。

用途

プレス金型、建設機械のピン、風力発電の回転軸。

「削りやすいのにタフ」

そんな二律背反を叶える鋼種を在庫し、最短納期で提供できることが当社の強みです。

「特殊鋼ってどうやって作られるの?
ざっくり製造工程ツアー

1.溶解(電気炉)

スクラップや鉄鉱石を溶かし、合金元素を投入。

2.精錬(炉内&取鍋)

不純物を取り除き、化学成分をミリ%単位で微調整

3.鋳造

液体鋼を鋳型に流し込み“鋼塊”を成形。

4.圧延

鋼塊をローラーで薄く・長く伸ばし、丸棒や板に加工。

5.熱処理

焼入れ・焼戻しで狙い通りの硬さ・粘りを付与。

6.検査&出荷

超音波・硬さ・寸法など多角的にチェックし、合格品のみが市場へ。

山野鋼材へ入荷され、切断・販売を行います

加工現場をのぞき見!

特殊鋼を切ったり削ったりする機械と技術

私たちの役割は、厚みのある鋼材を図面どおりのサイズにまっすぐ・きれいに切ること。

鉄の切断には、ガス溶断・プラズマ・レーザーといった熱で切る方法と、バンドソーやシャーリング、丸鋸のように刃で切る方法があります。

山野鋼材が扱う特殊鋼は熱の影響で硬くなりやすいため、素材を傷めにくいバンドソーマシーンによる切断を基本にしています。

工場では天井クレーンで安全に搬送し、丁寧な段取りで作業を進めます。

機械面
―― “傷めず、まっすぐ” を叶えるしくみ

切断機は、材料をしっかり固定しながら一定の速度と荷重で刃を送り出すことで、余計な熱や振動を抑えます。コンピューター制御で送りや刃の動きを細かく管理し、寸法のばらつきを最小限に。必要に応じて冷却液を循環させ、切り口の変色や歪みを防ぎます。

こうした仕組みの積み重ねが、特殊鋼本来の性能を保ったままのまっすぐな切断面につながります。

技術面

―― “狙いどおりに、無駄なく” 切る
プロの力

同じ機械でも、仕上がりを決めるのはオペレーターの観察力です。

素材の硬さや厚みに合わせて刃の種類や条件を選び、切断中の音・振動・切りくずの出方から状態を読み取り、送り速度を微調整します。切り終わりは光を当ててバリや色味を確認し、必要に応じて手当て。さらに材料取りを工夫して歩留まりを高めることで、コストと納期にも貢献します。

シンプルに見えて奥深い——それが特殊鋼の“切断”です。

金属を切ったあとに、切り口の端に残る薄いギザギザやめくれのことです。

手を切る危険や、寸法・見た目・後工程(組立や研磨)に悪影響が出るため、必要に応じてバリ取り(面取り・軽い研磨)を行います。

切断条件を最適化すると、はじめからバリを少なくできます。

仕入れた材料のうち、製品として有効に使えた割合を指します(この文脈では“材料歩留まり”)。
例:100kgの鋼材から切断品が92kgできた → 歩留まり92%
歩留まりが高いほどムダが少なく、コストや環境負荷の低減につながります(切断レイアウトの工夫などで改善します)。

現場社員の1日って
どんな感じ?

現場社員に実際にインタビューしてみました!

INTERVIEW01

製造担当

田中 康一

大阪支店 / 2004年入社

興味が湧いたらぜひ
お問い合わせください

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